小雨が途中であられになった北西部からこんばんは。
ちょうど、近所の郵便局へ歩いている途中でニット帽の上からさらにコートのフードをかぶり、めがねにあられが当たって溶けて、前がよく見えないままフラフラ歩く怪しい東洋人になっていました。

さて。

13日の金曜日朝に総選挙の結果を知ることとなったイギリスです。
木曜の夜10時過ぎに発表された、出口調査による予想は保守党の圧勝と出ており、それを見た途端、夫と

「さ、寝ますかね」

と。
寝る前にチラ見したTwitter上は阿鼻叫喚、合間に保守党支持者の喜びの雄たけびが混ざっていました。
労働党は結果を受け、党首ジェレミー・コービンは「次の選挙で労働党を率いることはない」という歯にモノの挟まった党首辞任表明を出しました。

保守党・労働党ともに、党首に対する世間の好き嫌いがこんなに真っ二つに割れる人達というのも今まで珍しいのではないかと思います。
息をするように嘘をつく世間を知らないボンボン男か、過去の経歴が(一部の人にとっては)怪しげに報道されがちなカリスマ性ゼロ男か。

熱烈な支持者以外にとっては究極の消去法、「どっちもイヤだけど、どっちがよりイヤかというと…」というような選択方法の人もいたようです。

後、大きかったのはメディアやネット戦略で保守党が一枚も二枚も上手であったことです。
「Get Brexit Done」という誰からもわかりやすいスローガンを掲げ、それをことあるごとにオウムのように繰り返す。
そんな単純なことで世間は…、と思いきや思いのほか浸透しており、特にBrexitが一向に進展しないことにうんざり&やきもきしている層に響いたようです。

それもあって、これまで労働党のHeartlandと呼ばれる絶対的勢力を誇っていた比較的貧しい選挙区が保守党に寝返るという事態も起きました。

コービン氏はつつましく信念を貫く頑固者という本人のポリシーで生きているのでしょうが、選挙に勝てないのではどんなに素晴らしい政策を掲げても絵に描いた餅。
朝のテレビ番組の突撃インタビューから逃げるために、業務用冷蔵庫に雲隠れするような首相にさえです。



昨日、夫は以前の部下二人と軽い忘年会のようなことをしに出掛けたのですが。
そのうち一人は保守党に投票したと。
理由を尋ねると

「だって、Brexitをさっさと片付けてほしいから」

このままいくと、ひとまず来年1月末に離脱はするだろうけども、それから移行期間(20年12月末まで、2年の延長可)があり、保守党は延長しないとは言っているけれども、貿易協定をまとめるには普通何年もかかるので、EU離脱はまだファーストステップなんだよという説明を夫がすると、

「そんなの知らなかった…」

こういう人、かなり多いと思います。

そして、この日、夫は行きも帰りも

191214

地獄を見ました。


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