そういえばうるう年だったのだ、と今日になって気がつく。
そして、うるう年のこの日は女性からプロポーズしてもOKな日なんだそうで。どういう経緯でそうなったのかどれくらいの歴史があることなのか詳しいことはわからないが、「フェミニズム」文化がまだそこそこ根強く残っているこの国でちょっと不思議な慣習だ。
まあ、「ワタシは男と対等に生きていくのよぅっ」と強気な女性でもプロポーズはやっぱり男性側からされたい、というのが本音なのかな。

金曜日に本屋さんのトイレで子供に襲われる。
母と8歳と4歳くらいの娘2人連れで、トイレに入った時点ですでに娘2人はコントロール不能状態。2人で一つのキュービクルに篭っているらしく、お母さんは「はぁ〜」と大きなため息をもらしつつ、
「今日は2人とも本当にノーティなんだからっ。何をしてるの?鍵を開けなさいっっ」
で、お姉ちゃんのほうがトイレからぶーぶー言いながらでてきて、
「ズボンをあげないといけないでしょっ、もーっ」
「なんでそんなところでズボンを上げるの、中でしなさいっ」
「だってドアを開けろって言ったじゃないーっっ」
という感じ。
うーん、なんだか嫌な予感がする。早く退散しなくては、と思いつつ結ってお団子にしていた髪が崩れてきていたので手早く直そうと鏡に向かっていると、手持ちぶたさになったお姉ちゃんがつつつーと寄ってきた。い、いかん…。
「こんにちは。あなたどっからきたの?」
「日本です」
「へー、日本。お父さんもお母さんも日本にいるの?」
「そうだよ」
「じゃあ、お父さんもお母さんも日本人?」
「うん、そうだねぇ」
「その髪型ステキね」
「どうもありがとう」
洗面台の脇においていた髪飾り(かんざし状のもの)を掴んで
「これ、どこにつけるの?ココ?ココ?」
と適当にワタシの前髪にぐりぐりと刺し始めた。いっ痛いよう。
「ううん、違うよー、お団子のところにつけるんだよー」
でもまだお団子の途中で両手がふさがっていたので、いったんその前髪に刺さった髪飾りをはずして洗面台の脇に置きなおす。
するとまたそれを掴んで
「え、ココにつけるんじゃないのー?ココ?」
とまた同じところに無理やり刺そうとする。ひー、勘弁してくれーーっ。
母親は小さいほうの娘のトイレにかかりきりでもう一人の娘が一般市民にからんでいるとは気づいていない。
「違うよー、そこじゃないよー」とけん制しつつダッシュで髪を直す。前髪に刺さった髪飾りをお団子にとりゃっと刺し直すと
「あー、お団子につけるのね〜」(だからさっきそうだって言ったじゃないよ〜)
これ以上からまれても困るので、有無を言わせず
「そうだよー、じゃあね、またね。バイバーイ」
と苦笑いしつつ横っ走りでその場を離れた。
なんだかドッと疲れてしまった。ふぅ。